原和良弁護士の訃報

別荘地管理費問題の第一人者である弁護士の原和良先生の訃報がありました。
吉川祐介 2026.01.16
誰でも

長年、別荘地管理費裁判を巡る問題について精力的に取り組まれていた原和良弁護士の訃報が入った。

昨年11月1日、僕は東京・大塚のパートナーズ法律事務所において、原先生が立ち上げた「分譲地管理契約を考える全国情報交流会」に参加している。原先生は20年ほど前より、全国各地の別荘地で頻発している別荘管理費を巡る紛争について、土地所有者側の弁護を精力的に引き受けられていて、僕も「負動産の窓口」の対談動画の企画でご一緒させていただいたことがあった。

吉川 祐介
@yuwave2009
遅くなったけど、今日は大塚のパートナーズ法律事務所で、弁護士の原和良先生が主催する「11.1分譲地管理契約を考える全国情報交流会」に参加してきた

僕は編集の方に誘われていったんだけど、全管連の動画で取材したREIWA対策委員会の方も出席 紛争になってる各地の別荘地所有者の話も聞いた
2025/11/02 02:19
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原先生は、別荘地の管理費について、決して「払いたくなければ払わなくてもよい」などと主張していたわけではなく、区分所有法に基づいて設立されるマンションの管理組合と同様、管理別荘地においても、管理会社と土地所有者が対等の立場で交渉できる制度の必要性を説き、その確立を目指していた。

現状では多くの管理別荘地において、別荘地管理費は管理会社からの充分な情報開示もなく、ほぼ管理会社側の「言い値」で徴収されている実態があり、管理契約解除を求めた裁判でも別荘地の所有者側が敗訴するケースが相次いでいる。所有者だけでなく、相続で取得した所有者ですら逃れることができないこれらの別荘地管理契約について、原先生は「奴隷制度に等しい」と断じ、民主的な管理体制こそが別荘地の活用と適切な維持につながると訴えていた。「負動産の窓口」の対談企画よりも前から原先生のお名前や活動は存じていたが、原先生の穏やかで、しかし強い信念を持って語る姿に圧倒され、僕が異論や意見を挟む余地などまったくなく、結局ほとんど口を開くこともできなかった。

その対談企画の翌月に、僕はたまたま原先生と面識があった担当編集者を通じてこの交流会の存在を知り、参加することになった。交流会には訴訟の当事者である全国各地の別荘地所有者のほか、業界関係者や有識者、メディア関係者も参加しており、原先生の意気込みの強さが伝わってくる顔触れだった。僕が以前動画のために取材させていただいた三重県のREIWA対策委員会の代表の姿もあった。

僕も別荘地や分譲地の調査を通じて管理費を巡る紛争は幾度となく耳にしていたし、昨年動画にしたREIWAリゾートグループの「ハートランド管理センター」と適格消費者団体「ひょうご消費者ネット」の裁判は、別荘地管理費問題を考えるうえで重大な判例のひとつなので、僕にとってもこの問題は決して無視できないものだ。ハートランド管理センターの事例はあまりにひどすぎて一般化して語れる話ではないかもしれないが、数十年前の分譲時に決められた杜撰で曖昧なルールのままなし崩し的に管理が続けられ、何かトラブルが起きるたびに、その都度裁判でしか解決を図ることができない不合理さに疑問を感じていた。

別荘地や分譲地に特化した発信者はおそらく多くない。原先生は広く社会にこの問題を提起することを強く望まれていたので、僕も今年から、このニュースレターやその他媒体を通じて、交流会の模様や原先生のご意見、裁判の進捗などをお伝えしていくつもりだった。

ところが12月に開催予定だった第2回交流会の少し前に原先生が入院され、中止になってしまった。先日、事務所の方より来月に第2回交流会の開催日の連絡があり、僕はてっきり原先生が快復されたものだと思っていたので、今回の訃報は本当に驚いた。原先生はまだ62歳であり、志半ばでお亡くなりになるにはあまりに早すぎる。

僕は交流会の一参加者で、運営に積極的に携わっているわけではないのだが、このまま原先生のご遺志を無に帰す訳にはいかない。原先生が担当していた事件の中には係争中のものもあるので、事務所もまだこれから色々対応を進めていくことになると思うが、せっかく原先生が立ち上げた交流会の灯を絶やす訳にはいかないと考え、取り急ぎ今回の記事を上げることにした。課題はいまだ継続中であり、交流会については進捗があり次第、引き続き当ニュースレターで報告していく。

原和良先生のご冥福をお祈りいたします。

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