【取材メモ】再び跋扈するワンルームマンション共同投資詐欺
2024年6月6日、東京・板橋区の不動産販売会社の社員ら4人が、認知症の高齢者に、アパートの1室の共有持分を1600万円で販売した準詐欺容疑で逮捕された。首都圏中心に約50名の認知症高齢者が同様の被害に遭い、その被害額は合計で1億3000万円にも及んでいる。
2024年9月10日付の毎日新聞の追跡取材によれば、被害者の一人である千葉県在住の女性は、相模原市の13㎡のワンルームマンションの55分の6の共有持分を300万円で購入させられ、「賃料収入」として月額約3500円の入金があったという。利回りなど計算するまでもない。警視庁はこの持分販売について、転売しづらくして不正の発覚を遅らせるのが狙いであるとみている。
この事件は大きく報道されたのでご記憶の方も多いと思うが、こうした投資詐欺の被害者に「救済」を持ち掛けてさらに別の無価値な不動産を買わせる二次被害も報告されており、不動産を巡る投資詐欺は後を絶たない。「投資は自己責任」とはよく言うが、これは投資ではなく判断能力が低下した高齢者を狙い撃ちにした明白な詐欺である。
この事件自体は僕は当時の報道で見聞きしただけだが、以前『バブルリゾートの現在地』の取材時に、苗場のあるマンションの1室が、いつの間にか数人の共有状態となり管理費の滞納が始まったので、不審に思った管理組合が新所有者となった数名の共有者にコンタクトを取ったところ、その共有者の誰もが、自分がマンションを購入したという自覚すら持ち合わせていなかったという事案を耳にしていた。