「令和の虎」にHOTELAのCOOが出演

7月30日に公開された「令和の虎」について
吉川祐介 2026.08.04
誰でも

7月30日に、チャンネル登録者数152万人を誇る人気YouTubeチャンネル『令和の虎』に、HOTELAの最高執行責任者が志願者として出演した。同番組は、一般の起業家がその事業計画を番組内で披露し、数名のレギュラー出演陣からの出資金を獲得する企画で人気を博しており、今から20年以上前にテレビで放映されていた『マネーの虎』のオマージュであるという。

HOTELAの最高執行責任者である佐藤努氏(実名出演しているので当ニュースレターにおいても実名で記載する)が同番組に出演するという話はすでに耳にしていた。HOTELAについては以前動画にした際、この佐藤氏から内容について抗議のメールがあり、当ニュースレターにおいてその抗議に対しての回答を行っている。

それ以後も断片的にHOTELAについての情報提供は続いており、まだ明かしていない情報がいくつかあるのだが、僕自身が昨年11月以降にニセコに行く機会がなく、続報を出せない状態が続いていた。その矢先の『令和の虎』の出演である。

番組内容についてはここで詳しく触れる必要はないだろう。当然ながら佐藤氏は番組内において、HOTELAの運営システムの斬新さや将来性について熱弁している。

一方で「虎」と呼ばれる出資者側のレギュラーメンバーの多くは懐疑的で、運営システムが分かりにくい、建物の外観がイマイチで5つ星ホテルには見えないなどと散々酷評しながら、最終的には希望額1000万円に対し、500万円の出資金を獲得するという不可解な展開であった。

人気YouTubeチャンネル「令和の虎」に出演したHOTELA最高執行責任者の佐藤努氏。(『令和の虎』より)

人気YouTubeチャンネル「令和の虎」に出演したHOTELA最高執行責任者の佐藤努氏。(『令和の虎』より)

動画の公開を受けて、改めてHOTELAの建物登記を取得してみたが、以前の動画でお話しした、石塚建設興業、倶知安町、北海道、財務省、厚生労働省、その他法人2社からの差押登記は一つも解除されていない。それどころか昨年末の動画公開後からさらに2件の差押登記が追加されている。

2026年8月3日に改めて取得したHOTELAニセコの建物登記。昨年末の動画公開時から何も改善されていないどころか、さらに北海道と倶知安町による参加差押の登記が増えている。

2026年8月3日に改めて取得したHOTELAニセコの建物登記。昨年末の動画公開時から何も改善されていないどころか、さらに北海道と倶知安町による参加差押の登記が増えている。

HOTELAは、僕が動画の撮影を行った2025年11月の時点ではまだ閉鎖されたままだったが、その後今年の1月23日よりプレオープンを行い、一応は宿泊予約を受け付けていた。

2月にニセコを訪問した視聴者さんがHOTELAの写真を撮影してきてくれたが、なるほど確かに入口のホテル名の銘板はライトアップされ、一部の居室は照明が灯っている模様が確認できる。ただしHP上で謳われている各種サービスの提供はまったく確認できていない。

プレオープンしたHOTELA。(2026年2月26日撮影・視聴者様提供)

プレオープンしたHOTELA。(2026年2月26日撮影・視聴者様提供)

「令和の虎」の出演者も同じ感想を述べているが、動画視聴者のコメントを見ると、佐藤氏が主張するサービスの内容が分かりにくい、という声が多い。「区分所有権」であると誤解している方も多いようだが、このHOTELAで販売されている「オーナーシップ」は、実際の不動産の所有権を販売するものではない。

そもそもHOTELAの建物は各居室ごとの区分で登記されていないし、所有権移転登記を伴う売買契約を行えば、あの差押登記まみれの様相を隠すことは難しくなるだろう。またHOTELAは宅建業者でもないので、区分所有権を継続的に販売すれば法令にも抵触する。

手元に「HOTELAオーナーシップ売買契約書」の写しがあるが、これによれば、HOTELAのオーナーシップの購入者には、以下の権利が付与されるとある。

①利用権:

本オーナーは、持分比率に比例する年間の日数にわたって本物件及び関連する設備を利用する権利を有し、これは本契約書に特定されている「合計シェア持分」に明示される。

②使用権

契約書に定めるルールに従って、レジデンス、施設、および関連施設を使用できる。

③排除権:

予約した滞在中(管理目的でのHOTELAによる必要なアクセスを除く)、他者をレジデンスから排除することができる。

④享受権:

レジデンス、関連施設、およびHOTELAの独占サービスを十分に楽しむことができる。

⑤譲渡権:

契約の条件に従って、本HOTELA・オーナーシップを売却、移転、または譲渡することができる。

⑥収入(該当する場合)

契約によって認められる場合、レジデンスから発生する賃料収入の一部を受け取る権利がある。

⑦担保権:

本HOTELA・オーナーシップを担保としてローンを組むことができる。

⑧法的保護:

利用権に干渉するものに対する法的保護を受ける権利がある。

⑨アクセス権:

会員契約に従って、レジデンスおよびその共用エリアにアクセスすることができる。

⑩ゲストアクセス権:

会員契約とHOTELAのゲストポリシーに従い、ゲストを招待してレジデンスおよびその設備を利用させることができる。

⑪永代権:

契約書に従い、本HOTELA・オーナーシップのシェアを所有し続ける限り、本HOTELA・オーナーシップの権利は無期限に存続する。

「ホテラオーナーシップ売買契約書」の契約条項の一部。

「ホテラオーナーシップ売買契約書」の契約条項の一部。

あきれるほどの権利の水増しである。何度読み返しても「使用権」「利用権」「享受権」「アクセス権」の違いが分からない。これらの権利の付与を以て「共同所有」を謳っているわけだが、当然のことながらこんな「○○権」など、HOTELAが潰れればそのまま一緒に消滅する、極めて脆弱な権利である。実際、過去にどれだけのリゾートクラブが、会員から集めた預託金を持ち逃げして消滅しただろうか。

もっともHOTELAの場合、建物登記が末期的なまでに差押まみれなので、こんな所有権を共同で所有されてはたまらないが、いずれにせよ多額の金銭を支払ってまで購入する価値のある商品とはとても言えないだろう。

佐藤氏は以前のニュースレターにおいても反論コメントを寄せているが、とにかくHOTELAの最大の問題点は、単に建物登記が差押まみれであるという点だけでなく、その事実を投資家に説明しないまま、HOTELAの経営状況に左右される脆弱な「利用権」を販売している、という点にある。これは詐欺とは断定できないまでも、継続して注意喚起を行うのに十分な理由であろう。

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