【コラム】行方不明の建物登記

たまに見かける「表題登記のみ」の建物についての所感
吉川祐介 2026.01.29
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僕が今住んでいる茨城県鉾田市の自宅は建物の登記がない。修繕途中のまま放置している千葉県横芝光町の廃別荘も同じく未登記建物だ。未登記と言っても、所有者がいない建物を僕が勝手に使っている、という構図にはならない。登記がないので所有権移転登記申請は土地のみではあったものの、いずれも鉾田市役所、横芝光町役場の台帳には居住用家屋として所有者登録を行っており、建物としての固定資産税も発生している。

通常の新築であれば、多くの人が金融機関の住宅ローンを利用しているので、抵当権設定のために必ず建物の所有権保存登記も並行して行われるが、別荘はローンを組んで建築する人が少ない(そもそも別荘建築を対象にした住宅ローンは皆無)ので、昭和の時代は新築後に建物登記を行わずそのままにしてしまった人が少なくなかった。同様に、農家住宅の納屋や離れも未登記物件が多い。割とよくあるどころかごく当たり前の日常の話である。

未登記だからと言って、現に住民がいたり利用されている家屋を無関係の第三者がそう易々と横取りできるような甘い話はない。中古住宅として購入する際に、敷地内に未登記建物がある物件は金融機関からの融資が難しくなるが、中古の別荘や農家住宅もやはり建物登記の有無に関係なく元々融資が下りにくい性質の不動産なので、特に別荘地は当たり前のように未登記建物で溢れている。リスクがない、と僕が勝手に断定するわけにはいかないが、ローンの利用ができない分、一括払いを見越して売却時に安めに見積もられることを除き、未登記であること自体が問題となるケースはそれほど多くないのではと思う。物件広告でも、未登記建物の広告を見ることなど珍しくもない。

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